フィギュアスケートは、まるでオペラやミュージカルのように芸術性やエンターテイメント性が演技の大部分を占めていることから「肉体の総合芸術」とも呼ばれています。
そんなフィギュアスケートの「華」と言えばジャンプですが、一体何種類あるかご存知でしょうか。
演技を見ていると「アクセル」や「ルッツ」など解説が入るものの、素人には何が違うのかよくわからないものです。
実はフィギュアスケートには、「トウループ」「サルコウ」「ループ」「フリップ」「ルッツ」「アクセル」の6種類があり、トウループから順に難易度と得点が高くなっていることはあまり知られていません。
更にこれらはつま先で踏み切る「トウ」と、シューズのブレードを使って踏み切る「エッジ」の2種類に分かれており、「トウ」で踏み切るのはトウループ・フリップ・ルッツで、エッジで踏み切るのがループ・サルコウ・アクセルとなっています。
最も基本のジャンプであるトウループは、左に回りで行う際は右足で後ろ向きに滑り、左足のつま先を突いて右足で踏み切ります。
基本的に着地は全て右足となっているため、次のジャンプにつなげやすいトウループはコンビネーションのつなぎで多用されることが多くなっています。
サルコウは左回りの場合、左足で後ろ向きに滑って右足を振り上げながら左足のブレード内側のエッジで跳び、右足の外側のエッジから後方に着氷するスタイルです。
左足で滑ってそのまま左足で踏み切りますが、踏み切る直前に足が「ハ」の字になることが特徴です。
ループは跳ぶときに輪を描くようになるため、ループと名付けられました。
左回りの場合は右足で滑りながら左足を上げて、つま先でリンクを蹴らずに右足のエッジで跳び上がり反時計回りに回転します。
足を前にクロスする形で踏み切ることが特徴で、体重は踏み切る足にかけたままとなります。
トウループと混同されがちですが、ループは着地した右足だけで踏み切るためコンビネーションでタイミングを合わせるのが難しくなっています。
フリップは左足で滑ってきて滑走の勢いを活かしまま反時計回りに回転し、右足のつま先でリンクを蹴って跳び反時計回りに回転します。
踏み切る際には左足のエッジは親指側でなければならず、これに違反すると減点の対象となってしまいます。
ルッツは左足で後ろ向きに入り、右足のつま先を突いて左足のエッジの小指側で跳ぶジャンプです。
フリップと似ていますが、違いの見分け方としては内側と外側どちらのエッジで踏み切っているかで判断します。
フリップは後ろ向きに入って内側のエッジに乗って跳び、助走の軌道と跳び上がった後の回転が「同じ」方向に跳びますが、ルッツは後ろ向きに入るものの外側のエッジから跳ぶため、助走の軌道と回転方向が「逆」になることからフリップよりも難易度がより高くなっています。
最後のアクセルは、スケーターが唯一前向きに跳ぶ一番難しい技です。
左回りの場合は、左足で前向きに踏み切ります。
前向きに踏み切って着氷は反対側の足の外側エッジで後ろ向きに着氷することからひとつのアクセルは1回転半で構成されますが、よく耳にするトリプルアクセルをする場合は半回転多い3回転半を跳ばなくてはなりません。
トリプルアクセルを跳ぶ女子選手も日本を含めて世界には何人かはいますが、一般的に女子のアクセルはダブルが主流で、男子ではトリプルアクセルが標準となっています。
このようにジャンプと一言にいってもさまざまですが、いずれも高さと距離やきちんとした踏み切りと着地、姿勢や音楽と合っているかなどが評価のポイントとなります。
これを知っていると演技の見方が変わってきますので、是非ジャンプの種類を覚えてフィギュアスケートを楽しんでみてはいかがでしょうか。
